海外と文化を交流する会
一般社団法人「海外と文化を交流する会」は、外務省認可の公益法人として、1968年に故松岡朝女史によって設立されました。会設立当時の日本は経済復興・経済優先の道を進んでいました。世界の若者たちは生きる価値観を見つけることができず、世界中で学園紛争の嵐が吹き荒れていました。その中でこの会は、物質文化の向上よりはむしろ「心の文化」の大切さを見直し、世界の人たちと交流の輪を拡げる目的を持って設立されたのです。
「海外と文化を交流する会」の活動は活動実績の年表にあるとおりですが、とりわけ会の存在を印象づけたのは、「海外への日本画の紹介」でした。設立当初、川崎小虎、奥村土牛、上村松篁、橋本明治、片岡球子画伯など40人にも及ぶ国宝級の巨匠たちに、会の目的とするところから筆をとってくれるよう口説き、強い賛同を得て、特別の日本画を描いて頂いたのです。そして、それらを持ってオーストラリア、ニュージーランドの各地で展覧会を開き、最終的に現地の美術館にそれらを寄贈しました。設立から7年もかけて準備し、大成功を納めました。
世界は大きく変化しています。東西イデオロギーの対立、冷戦構造は消え去り、あらたに南北問題が浮き上がってきました。日本ではようやく人間らしい生き方の道を模索し始めました。このような時代の変遷の中で、この会の設立の精神は、いま、ますます輝きをましてきました。 さらに活動の形態も変わりつつあります。多岐にわたる会の活動は大きくは次のようになります。